バカボット

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「格闘ゲームの問題点 - 直列☆ちょこれいつ」はデタラメ記事

「直列☆ちょこれいつ」というブログの記事が、2013年に話題になった。

blog.goo.ne.jp

記事の筆者は甘音(あまね)。
格ゲーは初心者。初プレイはP4U
P4Uとはペルソナ4の格ゲー。
その初心者が、格ゲーの問題点をずらずら並べている。
記事が広まり、読んだ人間から「核心をついてる」「初心者への配慮が足りてないですよね」「この記事に反対する奴は格ゲーを衰退させる」等のアホ臭い反応が続出した。

 

格闘ゲームの問題点 - 直列☆ちょこれいつ」は画期的な記事である。
内容が鋭いからではない。 
個人の好き嫌いを愚痴っているだけなのに、説得力のある格闘ゲーム論に見えるからだ。
2015年の現在に至るまで、格ゲー批判記事は腐る程書かれてきた。
だが、「格闘ゲームの問題点 - 直列☆ちょこれいつ」は、かなり珍しいパターンである。
初めて見た、と言ってもいい。


格ゲーへの文句はよく出回っている。
その文句は大抵、「俺が勝てないからクソゲー」という感情を隠せていない。
なので「また初心者様か。練習しろ」と一蹴されるケースが多い。

 

しかし、「格闘ゲームの問題点 - 直列☆ちょこれいつ」は一味違う。
感情は抑えられていて論理的。
筋は通ってる。例えが活用されていて読みやすい文章。
「俺が勝てないからクソゲー」という話ではない。

なのに、よく読んでみれば内容がトンチンカン。
それが「格闘ゲームの問題点 - 直列☆ちょこれいつ」である。

 

格闘ゲームの問題点」の記事は、どこがおかしいのか?
既に指摘されているのは以下の点。

  • 「格ゲーの画面端が嫌」「壁は格闘技らしくない」と筆者は言っているが、格闘技にリングは付き物。
  • 格ゲーから画面端を無くしたら、試合が終わらなくなる。
  • やり込み要素を無くしたら、ゲームがつまらなくなる。


最大の問題点は、「格闘ゲームの問題点」の言う通りに格ゲーを直したら、格ゲーもどきのガラクタが出来上がってしまうこと。

隠れたもう一つの問題点。
そんなぶっ飛んだ記事にも関わらず、記事の理屈が正しく見える為、騙されるアホが多いこと。


つまりデタラメだ。

先に説明しておく。
甘音の主張は、「私はフットサル初心者なので足の使い方が難しい」「だから手を使えるようにして欲しい」「その方がフットサルは良くなると思う」というもの。
こんな提案されたら、プレイヤーは「いや、そしたらフットサルじゃなくなる」「自分の基準で決めるなよ」と反対する。
反対するのが正しい。

しかし、格闘ゲームは何度も「ハードルが高い」「初心者お断り」と騒がれた為に、初心者の意見には耳を傾けなければいけない空気が流れつつある。
その空気に負けて、よく考えずに「格ゲープレイヤーだけど同意」と言う者がいる。

本当に記事を読んだのか?
空気を読んだだけか?
格ゲーを改善する?
結構なことだ。バランス調整とバグ修正は大事。
初心者からの感想・批判にも、もちろん目を通す。
自分の視点からでは思い付かない感想は貴重である。


しかしながら、あの「格闘ゲームの問題点」に耳を貸したら、格闘ゲームは間違いなく死ぬ。

 

 

具体的に指摘していく。
なお、ここから先の文章は約10000文字だから、初心者向けではない。

 

格闘ゲームは格闘が目的ではないということです。
むしろ、格闘ゲームは狩猟ゲームです。

たとえば、昔の人々がマンモスをがけに追い詰め、
落として殺すというような狩猟様式、それが格闘ゲーム

 

「格ゲーが格闘をしていない」なんてのは、分かり切ったこと。
格闘ゲームはマインドスポーツに近い。
分類するならeスポーツ。
ゲームの見た目は、キャラクターが技を出し合って格闘している。
レバーをガチャガチャして暴れるのが正しいと勘違いしやすい。
格闘するゲームなんだと勘違いしやすい。

だが、プレイヤーに求められるのは、知識と判断のぶつけ合い。
反応速度や筋力を競うものではない。
頭の中で競うゲームだ。
格闘ゲームはパズル+アクションのゲーム。
判定とフレームを駆使して戦う、知的遊戯。知的競技。

甘音がズレているのは、自分勝手な"格闘"のイメージを出発点にして、格ゲー論を進めている所。

 

狩猟と同じく、いかに獲物を地面の端に追い詰め、
自分が気持ちよくむごたらしく殺せるかというのを競うのが格闘ゲームです。 

 

不正解。
狩猟は自然が相手だ。
だから不確定要素が多い。
食糧の確保が安定しない。

一方、格闘ゲームは確定要素が多い。
「あの技をガードしたら、こちらが有利な状況だから反撃できる」「敵が前に飛んで来たから昇竜で落とせる」と、理詰めで相手を殺せる。
格ゲーは、リアルタイムで正解・不正解を確かめ合うゲーム。
「むごたらしく」やら「気持ちよく」やらは大して関係ない。
もし例えるなら、狩猟ではなく農耕。
つまり作業である。

地面の端に追い詰めて殺す、というのは正解。
ただ、上級者の試合では、画面端で戦ってる状況は、言われてる程に多くない。
要は、対戦相手のレベルが自分より高すぎると、画面端ばかりの試合になる。

 

格闘ゲームと言いながら、うまい人がやっているのはただの追い込み漁。
意味のわからない構造物を利用して追い詰めて殺すだけで、
格闘してる感じがしません。 

 

たとえば、格闘ゲーム初心者を市民だとすると、上級者は戦車。
狭い路地を一般市民が逃げるのを戦車が追って、
行き止まりまで追い詰めたところで、
主砲を撃って殺すか、機関銃を撃って殺すか、
轢いて殺すかを選んで、気持ちよく殺す。
それが今の格闘ゲームの姿ですが、それは『格闘』でしょうか?

 

相手がよけられない瞬間をお互い伺い、
その瞬間を見極めて爆弾を投げ込み、
相手を瞬時に殺すのが『格闘』でしょうか?

わたしは、そんなのは格闘ではないと思います。
とにかく格闘ゲームは、『格闘』していないのがいやです。

 

甘音が挙げている例は、どれも格闘である。
この辺りの文章は内容が無い。
「感じます」「思います」「いやです」の連続。
甘音が持つ"格闘"のイメージに格ゲーが沿ってない、という話。

 

わたしはまだちっとも覚えられていないので、
小パンチ・大パンチ・逃げパンチ・回転突撃・アイテム投げ
くらいしか攻撃がありませんが、
そういう人は、わたしにもわかる方法で攻撃してくるのです。

 

格闘ゲームの問題点」の記事が妙なのは、筆者の目標がやけに高い点にある。
やる気があるのは良いのだが、初心者の時点で求めるレベルが高い為、格ゲー批判がおかしくなっている。
まず、小パン・大パン・突撃・アイテムを覚えてるなら、初めはそれで十分。
最初は通常攻撃のみで、同じレベルのプレイヤーと勝ち負けを競えばよし。

なのに、いきなり格上の相手と戦って、何もできずに敗北した後、「自分も楽しめる様に戦って欲しい(配慮して欲しい)」と言うのはおかしい。

 

わたし個人、もしくは初心者の意見としては、
そこの部分がいやなところだったのだと気づきました。
つまり
・壁に追い込める。もしくは、追い込める壁の存在。
・一度決まれば体力の半分以上を持っていく連鎖技の存在。
・ダウン後、ひたすらダウンさせられるタイミングの存在。
・相手が誰かを気にすることなく倒せるシステムの存在。
です。

 

甘音は、画面端が大嫌いだと言う。
しかしそもそも、画面端から相手を逃さずに、連続技を成功させて、起き攻めも出来る相手と何故戦っている?
敵を画面端に追い込んで、敵を確実に殺せるのは中級者以上だ。
そんな格上の相手と対戦したら、格ゲーに限らず、一方的な試合になる。

仮に一方的でなくとも、壁・連鎖技・起き攻めは必要である。
理由は後述。
ちなみに、連鎖技(コンボ)がほとんど無い格闘ゲームは存在する。
しかしそれでも、画面端・起き攻めは採用されている。
格ゲーで画面端が採用されている理由を、少しは考えてみるように。

結局、同レベルのプレイヤーを繋ぎ合わせるマッチングが必要、という定番の話である。

狩猟者の場合は、なにやら無敵時間がついているという攻撃で
わたしのを避けたりはじいたりして、
やられたわたしがよくわからないうちに殺しに来ますが、
その人は端に行ったわたしの攻撃もきちんと避けて、
その上であらためて攻撃してきます。

 

ワガママ。
初心者の自分でも分かる戦い方は有難いが、分かり辛い戦い方は嫌だという愚痴。

そのあと、ほかの人ともいろいろ対戦して
わかったそのひとのよさとは、
・壁に追い込みをしない
・脱出不可能な連鎖技を入れない
・ダウン後に攻撃を入れない
・相手をよく見る
というところにあったと思います。

 

確かに、明らかに格下の相手には、火力(コンボ)を抑えることがある。
相手を気遣ってではない。
単なるコンボ練習になってしまうからである。

しかし、この辺の文章はやはりバカげている。
肉体スポーツの野球で置き換える。
野球で例えるのは平凡じみていて抵抗感があるが、伝わり易いから使用する。

・投球は内角を攻めない
・1イニングに5点入れたら、それ以上は点を取らない
・シングルヒット後に盗塁しない
・相手をよく見る


この4つを守ってくれるプレイヤーはいい人、と言っているに等しい。
壁に追い込むのも、連鎖技も、ダウン後の攻撃(起き攻め)も、戦略だ。
ゲームを構成する大事な要素。

 

ここらへんがなくなっても問題なくプレイできるようなシステムになれば
もっと気持ちのよい格闘ゲームになるように思います。

 

ここらへんをやられても、対処できる様にするのが対戦ゲームである。競争である。
根本からズレている。
甘音がよくプレイしているゲームはRPG
気持ちよく勇者にしてくれるゲームだ。

RPGをはじめとする、製作者がプレイヤーを楽しませてくれるタイプのゲームをやり続けているから、対戦ゲームに対する認識が歪んでいる。
自分が主人公として振る舞えなくなる障害・ストレスは、最初から排除されているのが良いゲームだと思い込んでいる。

 

格ゲーに限らず、対人戦は不愉快なもの。
「このテクニックは通用するだろう」「自分は結構上手いんじゃないか」と思いながらいざ対戦しても、自分の思い通りにはならない。
だから対策して、相手の一歩上を行く。
10秒後にまた相手に上回られる。

不愉快になったり気持ち良くなったりを繰り返すのが、対戦ゲームである。
気持ち良いだけのゲームはクソゲーだ。
障害物がないマリオをやりたいか?

 

その人のキャラにはなかったので感じませんでしたが、
飛び道具の存在もどうかと思います

 

この文章以降は、初心者からの提案に見せかけた、格ゲーの解体が続く。
筆者の愚痴なのだが、それらしい理由が並んでいるので、あたかも改善すべき問題の様に錯覚する。

 

ガードの仕組みにも、大きな問題があると思います。

 

また、攻撃モーションがやたら早くて
ガードが意味がないというのもあります。

 

また、ガードのキー入力も微妙です。

 

 さらに、キー入力の反転。
せっかくスキルのキー入力を覚えても、
敵が反対側に行ったら、入力操作は反転させなければ技が出ません。

 

それに関連して、個人的には技の名前は要らないと思います。

 

論理的なワガママが語られている。
格闘ゲームの問題点」で繰り返し愚痴られているのは、「格ゲーには暗黙の了解が多くて初心者お断りになっている」という点。 

 

 一例に、甘音はガードシステムを挙げている。

ガードには立ちガードとしゃがみガードの2種類があったのです。
ほぼすべての攻撃には、そのどちらかで防げる属性がついています。
でも、相手の攻撃のどれが何でガードできるかは、一切表示されません。
見た目でもわかりません。
相手と戦うなりなんなりして覚えないといけないようです。

 

普段料理はするか?
「塩少々」や「オリーブオイル 適量」と指示されたらどうする?
料理初心者にとって、この手の曖昧な表記は分かり辛いかもしれない。
だが、調味料の量には限度がある。
一人用の料理で「調味料は多め」と指示されても、オリーブオイル一瓶全てをドバドバ入れ始める人間はいない。

つまり、選択肢は限られている。
「今のはちょっと多すぎたか。なら次は少なめにしてみよう」と、少し頭を働かせれば問題ないレベル。


格ゲーも同じ。
格ゲーの「めくり」を知っているか?
今、お前は画面の左側にいる。敵は右側にいる。
敵が右から攻撃してきた。
なら、左にレバーを入れてガードだ。
右からの攻撃には、←にレバーを入れて防御できる。(しゃがみ攻撃には左下)


しかし例外がある。
この場合、「めくり」というテクニックで攻撃された時は、右にレバーを入れなければならない。
お前が左側にいる時は、左にレバーを入れればガードできる。
だが「めくり」を使われた時は、右にレバーを入れないとガード出来ない。
格闘ゲームの問題点」の筆者は、「めくり」で攻撃されたら、必ず言うだろう。
「そんなことは聞かされてないし、わかりません」。

本当に分かりようがない仕様だろうか?
「塩少々」と曖昧に書かれていても、少し考えれば適量は予測が付く。
オリーブオイルだって、油の量を増やしたり減らしたりしながら、適量は覚えられる。

めくりにしたって、「左でガード出来なかった。なら右でガード出来るのか?」と、簡単に予想が付く。
何せ、ガード時のレバー入力方向は限られている。
左・左下・右・右下。


格ゲーは、少し考えて少し試せば、すぐに正解が見つかるレベル。
甘音が「格闘ゲームの問題点」で挙げている欠点は、全てそのレベル。
結局、ゲームを攻略しようとする意欲が乏しいだけ。
一から全て教えてくれないと何も出来ません、と言っているだけ。

ここで「ゲームなんだし考えたくない」と思った人間はバカ。
ここで「そういう努力を押し付ける姿勢が間違ってる」と思った人間は最初から読み直せ。

繰り返す。
格ゲーにおける暗黙の了解なんてのは、試せば理解できるレベル。
試して攻略するから面白いのだ。

 

甘音がよくプレイするRPGだって、同じこと。
甘音は「世界樹の迷宮」をブログ内で高く評価している。
だが、世界樹の迷宮は、難易度が高めのRPGである。
物語の終盤では、主人公達のヒットポイントを大幅に上回る攻撃を、ボスが繰り出す。
仮に主人公のHPが500の場合。
敵は2000近いダメージを与えてくる。
絶対死ぬ。
後悔する間もなく死ぬ。

ではどうすれば生き残れるか?
ボスの攻撃には属性がある。
炎・氷・雷などの属性。
それらの属性に対する耐性を強化すれば、即死は免れる。
では、どうやって属性に対する耐性を付けるか?
防御役のパラディンを用意するか、それとも。

 

結局、対策を練る訳だ。
ゲームからは情報を教えてくれないから。
RPGにも暗黙の了解は存在するし、攻略法は自力で探し出さなければならない。
自力で攻略できたら嬉しくて、面白いのだ。

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でもその次にやってきた感想は『きびしい』でした。
これはすごくきびしいです。
救われる手段は一応あるにしても、
このゲームは基本的には詰め将棋です。

 

……世界樹の迷宮3も、そういう感じで死にます。
とにかく厳しいです。

ドラクエで言えばザラキで死ぬボスがいたとします。
開始一発目でザラキをかけると死ぬかもしれません。
でも物理がほとんど効かず、魔法もきかないとしたら、
基本的に勝つ方法はリセットを繰り返した後のザラキだけです。
つまり、ザラキを使えるキャラがいないパーティーは
理不尽に死にます。そういうゲームバランスです。

 

今のところ、それでも楽しんでやっているので
ゲームとしてはいいできだとは思います。
でも……ぬるゲーマーのわたしにとっては、
やっぱりきびしいです。
最近のぬるいゲームに嫌気がさした人にはおすすめかもしれません。

 

厳しいと言いながらも、世界樹の迷宮は楽しめたらしい。
では、格ゲーと違って世界樹の迷宮は親切なのかと言うと、そうではないらしい。
甘音は、世界樹の迷宮のシステムに対しても、批判している。
現時点では、いまいち筆者の好き嫌いが分からない。


ちなみに、筆者の甘音はスマブラもプレイしている。

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やってみたら、想像していた感じとは違いました。

 

でもどうも格闘ゲームのように、Aボタンと方向キーと
何かの組み合わせで出せる技が、ほかにもいろいろあるように思いました。
ボタン押し間違いで、たまになにかの攻撃がでましたが、
どうやって出しているのか、それがどういう効果のあるものなのかは
わからずじまいでした。

 

次には、ボタン配置が気持ち悪いということ。

 

それから、技の出が遅いこと。
ガードにしても攻撃にしても、思った瞬間には出ません。
この遅さは入力ミスにつながって、
思ったとおりに動けずに困りました。

 

最後は、技の種類が示されていないのでわからないこと。
何を自分が入力してどうなるのかわからないので
やりこみプレイを開始しない限り、本当には楽しめないんだろうなと思いました。

 

スマブラでもダメだったらしい。
スマブラのシステムでも合わなかった様だ。

 

話を戻す。
暗黙の了解が多く存在するから、対戦ゲームは成り立っている。
例えばの話。
数ヶ月前、ウメハラ組手が四国で行われた時の話。

普段からウルトラストリートファイターIVをプレイしてない初心者も、ウメハラに挑戦していたイベント。
そのイベントでウメハラが、初心者相手にめくり中キックをヒットさせたら、「初心者にめくりはやめてやれwww」というコメントが流れた。
めくりは、初心者にはガード不能の必殺技だからである。

 

めくりとは?
今、お前は目の前の敵に蹴られようとしている。
敵のキックを防ごうと身構えるだろう。
キックが飛んで来る。
ちゃんとガードした。
にもかかわらず、何故か後頭部を蹴られている。
正面から来るキックをガードしたのに、何故か背中を蹴られている。
ちゃんと身構えてるのに、敵のキックがヒットしてしまう。
初心者には何が起きたか分からない。
それがめくりだ。


しかし、逆に、めくりは初心者に優しいシステムでもある。
何故か。
対処法を知ってしまえば、攻略できるからだ。
もちろん、上級者でも対応が難しいめくりは存在する。
ただ、基本的な対処法は、1ツイートで教えられるのだ。
いや、140文字も要らない。


ここに格ゲーの面白さがある。
ここに格ゲーのハードルが低い理由がある。
聞きかじった知識だけで、大幅にレベルアップできる。
「投げ」の出し方を知らない初心者同士でも、一方の初心者が投げを覚えてしまえば、一気に実力差が出る。
知識一つで、周りと差を付けられるから面白い。
知識で差を付けられるのは、格ゲーに暗黙の了解が多く存在するから。
暗黙の了解が無いゲームでは、勝負は人間性能に頼るしかなくなる。
暗黙の了解とは、やり込み要素である。

でも格闘ゲームは、
「相手が動くカカシの練習モードあります。
ストーリーモードあります。対人対戦あります。あとは勝手にどうぞ」
です。
これでどうやってゲームになれていけばいいのでしょうか。

 

その通り。
「あとは勝手にどうぞ」と突き放すのは、対戦ゲームの基本。
言うまでもない基本を書いて、何を伝えたいのやら。
筆者は、RPGにゲーム観を侵されてしまっている。
だから、ゲームはどうプレイすればいいのかを、ゲームの側から教えてもらえると思い込んでいる。

 

将棋・囲碁・チェス・麻雀をプレイしたことはあるか?
トランプでもいい。
トランプはただの道具として存在しており、「あとは勝手にどうぞ」と突き放すのみ。

将棋は、「歩兵は前に一つ進めます。飛車は縦横に何マスでも動けます」ということは事前に決まっている。
だが、駒をどう動かせば勝てるのか?どう上達していけばいいのか?はプレイヤーに委ねられている。

ゲームの方から教えてくれはしない。
自力で考えろ。

 

格闘ゲームも同じ。
あくまで対戦ツールとして、道具として置いてあるのみ。
むしろ、対戦ツールなのに、ゲームの方から教えてくれる機能があるなんて、とんでもなく親切である。
チュートリアルがゲーム内に付属しているなんて、コンピュータゲームならではの親切である。

大体、将棋も囲碁も、暗黙の了解だらけだ。
基本的な戦術、定石を、将棋盤が教えてくれはしない。
盤は初心者に語り掛けない。
逆に、試さなければ分からないことだらけだから、練習し応えがある。
ゲームが上達法を教えてくれないのも、暗黙の了解だらけなのも、対戦ゲームでは自然である。

格闘ゲームの問題点」は、次の文で最後を締めている。

 

 個人的には壁がなくなって、
ガードはワンボタンでできるようになって欲しいと思います。

 

「自分が簡単に気持ちよくなれるゲーム」案に、メーカーが付き合う必要はない。
そもそも、甘音が望む格ゲーは、既にある。

それはバーチャファイター
バーチャファイターは、ガードがワンボタンで出来る。
ステージによっては、壁がない。
画面端に行ったら、リングアウトとなる。

だが、本当にガードがワンボタンでいいのか?
2D型対戦格闘ゲームの多くで採用されているのは、レバーによるガード。
お前が左を向いている時は、右にレバーを入れてガードする。
お前の身を守りたい時は、レバーを逆にすればいい。

しかしボタンでガードだと、ボタンを押しながらレバーも操作しなくてはならない。
バーチャファイターは、上段・中段・下段の概念がある。
上段攻撃と中段攻撃をガードするには、「ガードボタン」。
下段攻撃をガードするには、「ガードボタン+レバー下方向」。
攻撃に合わせて、咄嗟にガードボタンを押せるのか?
とりあえずレバーを逆方向に入れればガードできる方が、お手軽だろう。
それとも、甘音は「上段・中段・下段の概念を消せ」と主張したいのか?


格闘ゲームの問題点」がちぐはぐになっている原因は、「自分の好み」と「理想の格ゲー論」がごっちゃになっている所。
甘音が壁嫌いなのは分かった。画面端がトラウマなのは分かった。
しかし、格上の相手にやられた嫌な経験から、「壁を無くせば格ゲーは良くなる」と主張するのはおかしい。


格闘ゲームの問題点」は、理想の格ゲーを提案している風に書かれてるが、筆者がストレスを感じた要素を取り除こうとしているだけである。

 

結論。

  1. 格闘ゲームの問題点」が提案する格ゲーを作ったら、対戦ツールとして成り立たないゴミになる。
  2. 日本人の対戦ゲームへの認識がおかしい。かつ遅れている。
  3. 内容がデタラメでも、それらしい理屈が並んでいれば大抵の人間は騙される。

 

 

余談。
筆者の甘音には、格ゲーの素質がある。
なぜなら、ゲームを自力で分解できているから。
ゲームを理解して上達するには?
ゲームを分解すべし。
タスクに分けろ。

ゲームの面白さは、一つ一つの課題を処理していく所にある。
例えば、格ゲーを次の様に分解する。

  • コンボ
  • 起き攻め
  • 画面端
  • 対空
  • セットプレイ
  • 投げ、投げ抜け

こうやって、どんどんゲームの要素を洗い出していく。
対戦型のゲームでは、自力で分解していく必要がある。
一つ一つの要素を練り上げていくのが、上達の基本。
一つ一つの要素を処理していくのが、ゲームの面白さ。

 

甘音はその基本が、既に出来ている。
「起き攻めが嫌」「画面端が嫌」「連続技が嫌」と分析できるのは、ゲームを分解できているから。
今更だが、本当に初心者なのか?
一般的な初心者とは、「同じレベルの友人と、笑いながら、ガチャプレイで対戦して満足できる」ものではないのか?

甘音の視点は、既に初心者の域を超えている。
甘音の不幸は、「格上の相手とマッチングした」「初プレイがアークシステムワークスの格ゲー」の二点にある。
以上から、格ゲーを続けることを勧める。